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ようきペットクリニックのスタッフブログです

胆嚢摘出動画

予防的胆嚢摘出の動画です。
実際の手技をご覧いただけます。

手術画像等苦手な方はご遠慮ください。

 

 

 

胆嚢摘出術では、胆嚢を肝臓からどの層で剥離するかが重要になります。

人の腹腔鏡下胆嚢摘出術では、胆嚢の外側にある漿膜下層という層を意識して剥離する、いわゆる サブセローサルの剥離 が行われています。
これは、肝臓側に胆嚢の外壁を1枚残して、剥離していく方法で出血がほとんどなくキレイに剥離ができるという利点があります。

一方で、犬の胆嚢では、この層が人と同じように明瞭に確認できるとは限りません。犬の胆嚢は、肝臓の方形葉と右内側葉の間に位置し、胆嚢床で肝実質と密接に接しています。人の胆嚢摘出術で意識される漿膜下層や肝床との剥離層は、犬では炎症や胆嚢壁の変性により、術中の同定が困難となることがあります。

特に胆嚢粘液嚢腫や慢性胆嚢炎などでは、胆嚢壁が脆くなっていたり、肝臓との癒着や炎症によって正常な層構造が分かりにくくなっていることがあります。

そのため、サブセローサルの層を無理に追いかけようとすると、術中に胆嚢壁が破綻し、胆汁や胆嚢内容物が腹腔内に漏れてしまう可能性があります。

胆嚢内容物が腹腔内に漏れると、腹膜炎や術後合併症のリスクにつながる可能性があります。
そのため当院では、犬の胆嚢摘出術においては、無理に漿膜下層を追いかけるのではなく、胆嚢壁を含めて剥離する フルレイヤー剥離 を基本としています。

フルレイヤー剥離とは、胆嚢壁の一部を肝臓側に残さず、胆嚢全層を肝臓から剥離して摘出する方法です。
剥離面を明確に保ちやすく、胆嚢を途中で破綻させにくいことが利点です。

当院では、胆管閉塞が強く疑われない症例では、まず胆嚢管を確認し、胆嚢動脈と合わせて結紮処理します。

これにより、胆嚢への血流をあらかじめコントロールし、胆嚢剥離中に起こる胆嚢静脈などからの細かな出血をできる限り抑えることを目的としています。

胆嚢摘出術では、わずかな出血でも視野が悪くなることがあります。
特に腹腔鏡手術では、良好な視野を保つことが安全な手術に直結します。
そのため、出血を起こしてから止めるのではなく、出血をできるだけ起こさないように手術を組み立てることが大切です。

また、胆嚢の剥離をどこから開始するかについても、症例ごとに判断しています。

胆嚢管側から剥離を進める方法が適している場合もあれば、胆嚢の先端側、いわゆる胆嚢底部側から剥離を開始した方が安全に進められる場合もあります。

炎症の程度、胆嚢壁の脆さ、肝臓との癒着、胆嚢管周囲の視認性、胆管閉塞の有無などを総合的に判断し、症例ごとに最も安全と考えられるアプローチを選択しています。

胆嚢管と胆嚢動脈を処理したあとは、サクションやシーリングデバイスを用いながら、胆嚢を肝臓から丁寧に剥離していきます。
当院ではこの際、胆嚢壁を破綻させないように、基本的にフルレイヤーで胆嚢を摘出しています。

胆嚢摘出術は、単に胆嚢を取るだけの手術ではありません。
胆管を傷つけないこと、胆嚢内容物を漏らさないこと、出血を最小限に抑えること、そして術後の合併症を減らすことが重要です。

当院では、症例ごとの状態をよく評価し、できる限り安全に胆嚢摘出術を行えるよう、術式や手順を慎重に選択しています。

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