猫の尿管結石の治療について

猫の尿管結石は、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ細い管に結石ができる病気です。尿の流れが妨げられると、腎臓の働きが悪くなることがあります。ようきペットクリニックでは、結石の位置や尿管の状態、腎機能、全身状態を確認し、症例ごとに治療方法を選択しています。

猫の尿管結石で見られる症状

食欲が落ちる、元気がない、吐くなど、はっきりしない症状だけの場合もあります。片側の尿管が詰まっていても、もう一方の腎臓から尿が流れるため、排尿していることだけでは尿管閉塞を否定できません。

食欲の低下や繰り返す嘔吐、急な元気消失がある場合は、早めに受診してください。

治療の前に確認すること

血液検査、尿検査、超音波検査、必要に応じた画像検査を組み合わせて、次のような点を確認します。

  • 結石の位置と数
  • 尿管の拡張や狭窄の有無
  • 左右の腎臓の状態
  • 感染の有無と全身状態

腎臓の数値だけで、閉塞の程度や治療後の回復の見込みを判断することはできません。

当院で行う主な手術

当院では、尿管切開術、膀胱尿管新吻合術、SUB設置術を行っています。一つの術式に限定せず、結石の位置や数、尿管の狭窄や損傷の程度、腎機能などを踏まえて選択します。

尿管切開術

尿管を切開して結石を取り除き、縫合する手術です。結石の位置や尿管の組織の状態などを確認し、適応を判断します。

膀胱尿管新吻合術

尿管を膀胱につなぎ直し、尿が流れる経路を再建する手術です。結石や狭窄の位置、残せる尿管の長さ、つなぐ部分に無理な張力がかからないかなどを確認して検討します。

SUB設置術

腎臓と膀胱をカテーテルでつなぎ、尿管を迂回する尿の通り道を作る方法です。尿管の状態や再建の可否などを踏まえて選択します。設置後は定期的な検査や洗浄など、継続した管理が必要です。

腹腔鏡・後腹膜鏡を併用する手術

当院では、症例に応じて腹腔鏡や後腹膜鏡を併用しています。腹腔鏡はお腹の中を、後腹膜鏡は腎臓や尿管が位置する後腹膜の空間をカメラで観察する方法です。

尿管切開や膀胱尿管新吻合などの「尿の通り道を確保する方法」と、腹腔鏡・後腹膜鏡などの「患部へ到達して観察・操作する方法」を、それぞれの病態に合わせて検討します。

猫の尿管結石に対して、腹腔鏡補助下尿管切開術と膀胱結石の摘出を併せて行った症例をコラムで紹介しています。

内視鏡を併用できるかは、尿管の位置や周囲の組織の状態、必要な処置などによって異なります。傷の小ささだけを優先せず、安全に閉塞を解除し、尿の流れを確保できる方法を選ぶことを大切にしています。

当院の症例紹介:猫の尿管結石・膀胱結石に対する腹腔鏡補助下手術

その他の治療選択肢と手術のリスク

尿管閉塞の治療には、慎重な監視下での内科管理や尿管ステントなどの選択肢もあります。ただし、閉塞が続く場合や状態が悪化する場合には、内科管理だけで待ち続けることは適切ではありません。

尿管切開術や膀胱尿管新吻合術には、尿漏れ、つないだ部分や縫合した部分の狭窄、再閉塞などのリスクがあります。SUBやステントにも、機器の閉塞や感染などのリスクがあります。また、いずれの手術でも麻酔や全身状態に関連するリスクを考慮する必要があります。

それぞれの方法の利点と限界、術後に必要な管理をご説明し、治療方針をご相談します。

術後の経過観察について

閉塞を解除しても、腎臓の働きが完全に元に戻るとは限りません。手術後は尿漏れ、再閉塞、感染、腎機能の変化などを確認します。退院後も血液検査や超音波検査などで経過を見ていく必要があります。

SUBを設置した場合には、機器の状態の確認や洗浄なども含め、継続した通院管理についてご案内します。

よくあるご質問

尿管切開術とSUBでは、どちらがよいのでしょうか?

一律には決められません。結石の位置や尿管の状態によっては、膀胱尿管新吻合術などが選択肢になることもあります。当院では特定の術式をすべての猫に当てはめるのではなく、検査所見や手術中の所見に応じて適切な方法を検討します。

尿管切開術、ステント、SUBを比較した研究はありますが、治療を受けた猫の状態や術式を選んだ条件が異なります。また、既報の成績は当院の治療成績を示すものではありません。

受診・手術のご相談

現在の治療内容や検査結果があれば、ご相談の際にご用意ください。

ようきペットクリニック
広島市西区扇2-1-1 カインズ広島LECT店2F
電話:082-276-5666

受付時間・休診日は公式トップページをご確認ください。

参考文献

猫の尿管閉塞に対する治療成績の比較研究(英文)

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