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ようきペットクリニックからのお知らせ

症例紹介2(短頭種気道症候群)

短頭種気道症候群
Brachycephalic Airway Syndrome:BAS

短頭種とはブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグやチワワなど鼻の短い犬種を言います。
これらの犬種では、構造上の問題により様々な症状を引き起こします。

構造上の問題としては「外鼻孔狭窄」「軟口蓋過長」「喉頭虚脱」「気管低形成」が代表的であり、これにより徐々に呼吸困難を呈し、最終的には「二次性気管虚脱」「陰圧性肺水腫」により死に至ります。
これらの構造上の問題が見られる短頭種においては熱中症のリスクが高くなったり、中齢以上(8歳ぐらい)で突然死のリスクが非常に高くなる報告もあるため、早期の治療が必要になります。
院長自身に経験則でも「異常呼吸を呈する短頭種は長生きしない」というイメージがあります。

短頭種は、しばしば「ゼーゼー」、「ガーガー」と音を立てて呼吸をしていることがありますが、これらは決して普通ではなく、病気の状態と思ってください。

当院ではこのような症状を示す患者様には積極的に治療(外科手術)を推奨しています。
若いうちに手術をちゃんとすれば長生きできるからです。

当院で行う手術としては、「外鼻孔拡大術」「軟口蓋切除術」「喉頭小嚢切除」などを実施しております。

症例は1歳齢のフレンチブルドッグ
ガァガァ、ゼェゼェといった異常呼吸を呈していました。

術後の動画と比較するとよくわかるのですが、顔色もあまり良くなく苦しそうにも見えます。

外科手術を終えて翌日の様子です。

異常呼吸音は見られず、顔色も良くなりとても楽そうです。

本来であれば「外鼻孔狭窄」「軟口蓋過長」などが見られる短頭種においては不妊手術を行う際に同時にBASの手術を行うことをお勧めしています。
手術は若いときに行うほうが、治療成績が良くなるため3~4歳以上の患者様の場合には二次診療施設へ紹介して手術を行ってもらいます。
手術の実施が遅れると術後成績もとても悪くなるので、短頭種と一緒に住んでいて、異常な呼吸音が気になる場合は早めに当院までご相談ください。

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