症例紹介1(猫の漏斗胸)
症例紹介です。
今回は猫の『漏斗胸(ろうときょう)』という病気です。
漏斗胸とは、胸骨が心臓の方へ食い込んでしまい、胸郭が狭くなる結果呼吸が苦しくなる病気です。
外から見ると、胸の部分で大きく凹んでいるのがわかりますか?
レントゲンを撮ってみると
このように、胸骨が背中側に大きく食い込んでいます。
この病気の子が皆手術をしないといけないわけではありませんが、この子の場合は 変形の程度がひどく、呼吸困難の症状が現れていたため、手術をすることになりました。
手術は、お腹と胸を開けて、食い込んでいる胸骨を引き戻し、それを皮膚の方へ縫い付ける方法で行いました。
皮膚に糸が食い込まないように、自家製のコルセットを当ててそこに糸を結紮しました。
術中の写真です。
これが術後のレントゲンです。
胸に食い込んでいた胸骨が下に引っ張られているのがわかりますか?
自分で糸を切ってしまわないように この上にお洋服を着てもらい、1カ月くらい待ちます
これが1ヶ月後のレントゲンです。
しっかり胸が開いて、肺がふくらむようになりました。
初めは2か月半で体重450gしかなかったちびっ子ですが、今ではしっかり大きくなってくれています。
⚠️この子のように 仔猫で胸が凹んでいて、呼吸が苦しそうな場合にはお早めに、ご相談ください。
成長期のうちに手術ができれば、今回のように、良い結果が得られることも多いです。