犬・猫の乳び胸の治療と胸腔鏡手術について

広島市西区のようきペットクリニックでは、犬・猫の乳び胸について、原因や全身状態を評価し、治療方法をご相談します。当院では犬の乳び胸に対する胸腔鏡手術を実施し、ICG蛍光ガイダンスとStryker 1788を用いた胸管の確認を行っています。

乳び胸とは

乳び胸(乳糜胸)は、脂肪を含むリンパ液「乳び」が胸の中にたまる病気です。胸水が増えると肺が十分に膨らめず、呼吸が速い、苦しそう、咳が出る、元気や食欲がないといった症状が現れることがあります。

呼吸が苦しそうな場合は、予約日を待たず、受診できる動物病院へすぐにご連絡ください。

原因を調べ、治療方針を決めます

胸水と血液の検査、画像検査などを組み合わせ、乳び胸かどうかと、その原因を調べます。心臓病や腫瘍などが関係する場合もありますが、原因が特定できない「特発性乳び胸」もあります。

呼吸状態に応じて胸水の排液や酸素投与を優先し、原因となる病気が分かれば、その治療を検討します。食事管理や内科治療だけでは胸水を十分に抑えられない場合もあり、胸水がたまる頻度や全身状態を踏まえて手術を検討します。

胸腔鏡による乳び胸の手術

胸腔鏡手術では、小さな切開からカメラと器具を入れ、拡大した映像を見ながら胸の中を操作します。当院では、犬の乳び胸に対して胸腔鏡下で胸管を閉鎖する手術を行っています。

当院の公開症例には、胸管結紮術と心膜切除術を組み合わせた症例や、胸管結紮術と乳び槽切開術を実施した症例があります。すべての動物に同じ組み合わせを行うのではなく、検査結果や病態に応じて検討します。

胸腔鏡での実施が適さない場合や、術中に安全な操作が難しいと判断した場合には、開胸手術を選択・移行することがあります。

ICG蛍光ガイダンスで胸管を確認する理由

乳び胸の手術では、リンパ液が流れる「胸管」の位置や分岐を把握することが重要です。当院では、胸管を確認しながら手術を進めるために、ICG蛍光ガイダンスを活用しています。

ICG(インドシアニングリーン)という薬剤の蛍光を専用カメラで捉えることで、通常の映像では見分けにくい胸管やリンパの流れを確認します。犬の乳び胸に対する胸腔鏡手術でも、この方法を用いた胸管の同定が学術論文で報告されています。

当院で使用するStryker 1788

ようきペットクリニックでは、Stryker(ストライカー)社の内視鏡画像システム「1788」を使用しています。4Kの通常画像と近赤外蛍光画像を用いて、胸管と周囲の組織の位置関係を確認し、結紮する部位を判断するために役立てています。

当院の公開症例でも、ICG蛍光イメージングで胸管の走行を確認しながら、胸腔鏡下胸管結紮術を実施しています。処置の対象となる胸管を視覚的に確認することを重視しています。

蛍光の見え方は、薬剤の投与条件や組織の状態などによって異なります。通常の画像や解剖学的な評価と組み合わせて判断し、病態に応じた術式の選択と術後管理を行います。

手術のリスクと術後の経過

麻酔に伴う問題、出血、感染、周囲組織の損傷などのリスクがあります。また、手術後も胸水が残る、再びたまる、追加治療が必要になる可能性があります。胸腔鏡やICGを使用することだけで、治癒を保証できるものではありません。

術後は呼吸状態や胸水の量を確認し、排液、痛みの管理、必要に応じた酸素投与などを行います。胸水の減少に時間がかかる場合もあり、入院期間や通院間隔は経過に応じて判断します。

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症例記事は、それぞれの動物の経過を紹介したものです。同じ治療結果や入院期間を保証するものではありません。

受診・治療のご相談

乳び胸と診断された、胸水の排液を繰り返している、手術の選択肢を相談したい場合は、ようきペットクリニックへご連絡ください。検査結果、画像データ、服薬内容、これまでの排液量や経過が分かる資料があれば、受診時にお持ちください。

紹介元の獣医師の先生からのご相談も承ります。

ようきペットクリニック|広島市西区
電話:082-276-5666
所在地・診療時間はこちら

参考資料

American College of Veterinary Surgeons. Chylothorax.
犬・猫の乳び胸に関する解説(英語)

Steffey MA, Mayhew PD. Use of direct near-infrared fluorescent lymphography for thoracoscopic thoracic duct identification in 15 dogs with chylothorax. Veterinary Surgery. 2018;47:267–276.
ICGによる胸管同定の臨床報告(英語)

Stryker. 1788 Platform.
1788の画像・蛍光表示機能に関するメーカー資料(英語)

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