ウサギの避妊手術を、できるだけ小さな傷で 2026/08/10 内視鏡手術外科手術 〜腹腔鏡補助下子宮卵巣摘出術〜 今回は、ウサギの避妊手術として腹腔鏡補助下子宮卵巣摘出術を実施しました。 ウサギの避妊手術には、望まない妊娠を防ぐだけでなく、子宮や卵巣に関連する病気を予防するという大切な目的があります。 特に雌のウサギでは、年齢とともに子宮疾患が問題になることがあり、子宮腺癌をはじめとする子宮腫瘍や子宮内膜の異常などが知られています。そのため、繁殖を予定していないウサギでは、将来的な生殖器疾患の予防を目的として避妊手術を検討することがあります。 一方で、ウサギは犬や猫とは異なる特徴を持つ動物です。麻酔や手術そのものだけでなく、術後の疼痛やストレス、食欲低下、それに伴う消化管運動の低下などにも注意が必要です。 そのため当院では、できるだけ身体への負担を少なくして手術を行うことを大切にしています。 小さな傷から内視鏡を使って手術します 今回実施したのは、ウーンドリトラクターを使用した吊り上げ式の腹腔鏡補助下子宮卵巣摘出術です。 小さく切開した部分にウーンドリトラクターを設置し、そこから内視鏡を挿入します。内視鏡でお腹の中を拡大して確認しながら卵巣と子宮を体外へ牽引後に摘出しました。 一般的な開腹手術では、子宮や卵巣を肉眼で確認して操作するためにはある程度の切開が必要になります。一方、内視鏡を使用すると、小さな切開創からでも腹腔内を広く、拡大して観察することができます。 そのため今回の方法では、従来の開腹手術と比較して傷口を大幅に小さくした状態で、子宮と卵巣の摘出を行うことができました。 傷が小さいことは見た目だけの問題ではありません。腹壁への侵襲をできるだけ抑えることは、術後の疼痛や身体への負担を軽減するうえでも大切だと考えています。 「小さな傷」と「確実な手術」の両立を 低侵襲手術の目的は、単純に傷を小さくすることだけではありません。 内視鏡による拡大された視野を利用して、安全性に配慮しながら必要な手術を行い、そのうえで動物への負担をできるだけ小さくすること。 これが低侵襲手術の大きなメリットだと考えています。 ウサギは術後の食欲や消化管運動の管理も非常に重要な動物です。そのため、手術そのものだけでなく、麻酔・疼痛管理・術後管理まで含めて、できるだけ早く普段の生活に戻れるような治療を心がけています。 ようきペットクリニックでは、犬や猫だけでなく、ウサギの外科手術についても内視鏡を活用した低侵襲な治療に取り組んでいます。