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ようきペットクリニックのスタッフブログです

動脈管開存症の治療

今回動脈管開存症という珍しい心疾患の治療を行いました。

昔は良く見られていた心臓の先天的な奇形ですが、最近はめっきり見ることが少なくなっています。

動脈管とは本来、子犬が母犬のお腹の中にいるときにだけ機能している血管で、通常は生後2~3日でその役目を終え閉鎖します。
生まれた後も動脈管がうまく閉じずに機能し続けてしまうことで、血液が大動脈から肺動脈へと短絡して流れ心臓に負担をかけることがあり、
このような病気を動脈管開存症といいます。

マルチーズ、トイプードル、ポメラニアンなどの小型犬によくみられることから、遺伝が関係すると考えられています。このように、先天的な病気のため若いころから発症することが特徴です。

短絡する血流量が少ない場合は無症状のことが多く、健康診断で聴診や超音波検査を行った際に偶然発見されることもあります。短絡血流量が多い場合は発育不良や呼吸が苦しそう、咳が出る、といった症状が現れます。

◼️治療
検査で動脈管開存症が確認できれば、基本的には手術によって治療します。
手術では、動脈管に流れる血流を止めるために、カテーテルを用いて動脈管を塞ぐ器具を入れる方法、あるいは開胸して外から動脈管を結紮(糸で結ぶこと)する方法を採用しています。

ただし、進行してアイゼンメンジャー化してしまった場合は手術の適応外となり、症状の緩和を目的とした内科的な対症治療を行います。

◼️予防法やご家庭での注意点
先天性の病気ですが、初期であれば手術によって根治が望めるので、たとえ症状がなくても若齢のうちから定期的に健康診断を受けることが大切です。
特に好発犬種を飼育されている場合は、子犬のころから動物病院を受診し、もし心雑音があれば早めに心臓の超音波検査を行うことをお勧めします。

◼️まとめ
動脈管開存症は若い小型犬でよく遭遇する心臓の病気です。はじめは無症状のことも多いため、ご家庭で異変に気づいたときには手遅れになってしまう危険性もあります。早期に発見し手術ができれば、その後は健康に過ごすことができるので、まずは健康診断を受診しましょう。

動脈管開存症について気になることがあれば、当院へご相談ください。

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