乳び胸の治療について
今日は乳び胸についてです。
乳び胸とは、リンパ液(乳び)が、何かしらの原因で胸腔に漏れ出て、溜まってしまう病気です。
初期は無症状の場合が多く、進行してから呼吸器の症状が出てくる場合が多いです。
呼吸器の症状としては、咳が出たり、大きな呼吸(努力性呼吸)になったり、口を開けて呼吸をしたり、悪化すると舌が青紫色(チアノーゼ)になったりします。
遊ばなくなって食欲低下する場合もあります。
レントゲンを撮り、胸腔内の液体貯留を確認し、
胸腔穿刺で乳びを採取することで診断を行います。
呼吸が苦しく緊急性がある場合は、緊急回避として胸腔に針を刺して溜まった胸水を吸引します。繰り返し胸水を抜く必要がある場合は、胸腔にチューブを装着する手術を行うことがあります。
根本的な治療は外科手術が必要となります。
乳び胸が慢性化していると、手術のリスクも高くなるので、早期の外科手術が必要です。
手術を行う場合は、胸管を結紮して胸への乳びの流出を減らしたり、乳び槽(お腹にある乳びの溜まり場)を切開し胸管への乳びの流れを減らしたり、心膜を切除して静脈圧を下げて静脈へのリンパ液の流れを促したりします。
以前より手術成績は向上しており、これらを組み合わせた手術を行って治癒率は9割弱であったというデータもあります。
手術をしても再発する場合が1割程度あるので注意が必要です。
当院では乳び胸の手術を胸腔鏡という内視鏡を用いて、胸管結紮術と心膜切除を組み合わせた方法を実施します。
開胸手術では肋骨の間を大きく切開し肋間を広げます。
痛みが強いことと視野が狭く手術の確実性が乏しくなる難点がありました。
内視鏡手術では5㎜程度の傷口を6カ所開けて手術を行います。
痛みが少なく、カメラで確認しながら行うため、視野が得られやすくより確実な手術が実施可能です。
内視鏡手術での乳び胸治療にご興味のある方は一度当院へお問い合わせください。
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