Column

ようきペットクリニックのスタッフブログです

― 当院では、より低侵襲で確実性の高い「吊り上げ式腹腔鏡補助下膀胱切開(LLAC)」を導入しています ―

🔷 犬猫の膀胱結石、もう“お腹を大きく開ける”時代ではありません

先日、中国地区獣医学術集会にて、当院を含む複数施設で行った
「LLACによる膀胱結石摘出術 101例」の臨床報告を発表してまいりました。

LLAC(Lifted Laparoscopic-Assisted Cystotomy)とは、腹壁を大きく切らず、腹腔鏡と小さな切開を組み合わせて結石を取り除く“低侵襲(体への負担が少ない)”な膀胱結石の手術方法です。

✅ LLACのメリット
✔ お腹の切開が小さい
✔ 痛みが少なく、回復が早い
✔ 入院期間が短い(多くが日帰り)
✔ カメラで膀胱の中を拡大して見るため、結石の取り残しがほぼ起こらない

 

📌 実は、一般的な開腹手術では…
膀胱を開けて手探りで確認する必要があるため、
結石の取り残し(残石)が約20%発生すると報告されています。
せっかく手術をしても、残石があれば再発や再手術につながる場合もあります。

 
✅ LLACではどう違うの?
LLACでは、膀胱内をカメラで直接見ながら、細かい石や尿道付近の石までしっかり確認できます。

🔍 =「確実に取り切る」ことを目指せる手術です。

 

✅ すでに100例以上の臨床実績

今回の学会発表では、
101例の犬猫にLLACを実施した結果を報告しました。

小さな傷口と確実な結石除去を特徴とし
高い成功率、重度の合併症はほとんどなし
多くの症例が短期間で退院、取り残しゼロを目指せる安全な手技
であり、これらの結果から、
当院では膀胱結石の治療としてLLACを第一選択としておすすめしています。

 
✅ 「うちの子はLLACができるの?」
✔ 犬でも猫でも可能
✔ 小型犬でも大型犬でもOK
✔ 年齢や持病がある場合も、麻酔リスクを含めて丁寧に評価します

まずは一度ご相談ください。
エコー検査・レントゲン検査の結果から、最適な治療法をご提案します。

✅ 最後に

膀胱結石は、痛み・血尿・排尿困難・再発など、
ワンちゃんネコちゃんにとって負担の大きい病気です。

しかし、
**「低侵襲で、確実に治す」**選択肢が今はあります。

もし、「膀胱結石と言われた」「再発を繰り返している」などでお困りの場合、
お気軽にご相談ください。

✅ 切開が小さい
✅ 回復が早い
✅ 取り残しをしっかり防ぐ

当院は、ペットとご家族への負担をできるだけ減らし、
安心して治療を受けてもらえる医療を目指しています。

最新の記事

  • 膀胱結石

    ― 当院では、より低侵襲で確実性の高い「吊り上げ式腹腔鏡補助下膀胱切開(…

TOPに戻る