腹腔鏡補助下胃切開と予防的胃固定術
3歳のゴールデン・レトリーバーが、爪楊枝を誤って飲み込んだと主訴で来院されました。
来院時、まずはできるだけ体への負担が少ない方法として、
催吐処置(吐かせる処置)を行いました。
注射の投与により、2回の嘔吐は見られましたが、残念ながら異物は確認できませんでした。
その後、飼い主様のご希望により、
消化管内視鏡検査を行い異物の摘出を試みました。
内視鏡では、胃の中に食べ物の塊が多く見られ約30分かけて慎重に確認しましたが
爪楊枝をはっきりと確認することができませんでした。
この時点で、飼い主様には次の2つの選択肢をご説明しました。
胃を切開して異物を直接取り出す方法
症状が出ないか注意しながら経過をみる方法
ご相談の結果、
確実に異物を取り除くことを希望され、胃切開による摘出を行うことになりました。
また、ゴールデン・レトリーバーは、
胃捻転(GDV:急性胃拡張・胃捻転症候群)を起こしやすい犬種として知られています。
近年では、
胃捻転のリスクを減らす目的で、内視鏡を用いた予防的胃固定術が行われる機会も増えてきています。
今回の症例では、
異物摘出のために胃切開を行う必要があったため、
同時に胃固定術を行うことで、将来的な胃捻転のリスクを下げることができると判断しました。
そのため、
予防的胃固定術についても丁寧にご説明し、同時に実施することをご提案しました。
飼い主様のご了承をいただいたうえで、
胃切開による異物摘出と予防的胃固定術を同時に実施しました。
【手術について】
皮膚を小切開し、
経皮的に胃内にスコープを挿入し


硬性鏡を操作しながら胃内異物を取り出しました。
小さな傷から胃の中の異物を摘出同時に予防的な胃固定も実施
通常の開腹手術に比べ、体への負担を抑えた手術が可能です。


傷口は3.5㎝ほどでした。
【術後の経過】
手術後の経過はとても良好で、大きな合併症もなく回復してくれました。
飼い主様にも「安心しました」「本当に良かったです」と大変喜んでいただきました。
【最後に】
異物の誤食は、
どんなに気をつけていても起こってしまうことがあります。
当院では、まずは負担の少ない方法から検討し必要に応じて、より確実で安全な治療をご提案することを大切にしています。
誤食や手術について不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
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